目標達成は簡単そうだからではなく、難しいからこそ追求しよう! 大失敗を恐れない者だけが、偉大な事を成し遂げる。

2013年8月27日火曜日

もうすぐ総選挙

 一ヶ月も経たない内にドイツではまた総選挙が行われる。現在首相になっているのは、8年も前から、メルケル氏である。最初の4年では彼女の党、キリスト教民主同盟が社会民主党と連立政権を握っていたが、4年前の選挙以来、優先相手の自由民主党と同じく連立を組んで、政権を握っている。


今現在のアンケートによると、9月22日に行われる総選挙では彼女が楽勝するだろうと時々報道されている。キリスト教民主同盟(CDU)は約40%、連立の優先パートナーの自由民主党(FDP)は5%になりそうなので、計45%の見通しがある。但し、ドイツでは5%以下の投票成績は選挙で切り捨てられるので、もしFDP4.99%しか獲得しなかったら、最初から国会に入らない故、連立政権には参加できないことになる。CDUがその時、勿論困る。政権をそれでも握るようになる為、20052009年と同じ様に社会民主党(SPD)と組むか、初めて緑の党と組むかの手しかない。しかし、やるのであれば、両方ともが苦肉の策になる。結局、緑の党は敵なので・・・。だが、緑の党の、特に環境に関する考え方はとっくに全社会に染み込まれたので、緑の党と組んでも構わないと思うCDUの党員は少なくはないと思われる。

頑張ってもらいましょう
社会民主党(SPDは現在25%ぐらいの支持率しかない。連立パートナーの優先は言うまでもなく緑の党。緑の党は約12%獲得できそうなので、CDUFDPの併せて45%にはまだ全然達成していない。さて、残り8%はどうするかに当たって、「左の党」が絡んでくる。左の党は元東ドイツ社会党プラス、7年前にSPDから脱退した人達との合併から生まれた党である。「左の党」は「資本主義を克服し、民主的な社会主義」を目指している党である。歴史上、何回この実験が失敗に終わったかを教えてあげたい、彼らに(彼女らにも・・・)。尚、SPDの政治家達は現在、こう唱えている:「緑の党は優先パートナーで、連立政権を作りたいが、「左の党」とは、何があっても連立を作らない」とのことである。そんな言い分を聞いても信じる人はドイツで少ないだろうから、いざとなったら、選挙の結果を見て、「やっぱりあいつ等と組もう」と断言するSPDの政治家は必ず出てくると思う。「政権入手欲」と言いますかね。政権を握る為に政治家は何でもやっちゃう病気ですね。

ただ、もし「やっぱり約束を守ろう」と言うSPDの政治家がいたら、「左の党」と組まないで、4年前までのCDUとの更なる連立政権の可能性は少なくはない。それはFDPが充分に票を獲得できない場合のみの場合である。ところで、首相が直接国民に決められたら、圧倒的にメルケル氏の勝利になる。SPDの立候補者の支持率は25%ぐらいしかないのに比べて、メルケル氏の支持率は60%前後で著しい。要するに、CDUを投票しなくても、メルケル氏を応援している選挙人がいるという事。

通常の総選挙の前には、かなり激しい選挙戦が行われる。政治家はあっちこっち足を運んで、演説をし、まだ迷っている選挙人を説得する活動で忙しい。街角どこを見てもビラが貼ってあって、選挙寸前の感覚からなかなか逃げられない。ただ、今年は激しい論じ合いも少ないし、あと3週間半しかないのにポスターの貼り付けもビラも、情報ブースも平年と比べて少ない。あたかも、国民の過半数は、メルケル氏に勝てる人はどうせいないだろうと思っていると同じ様に・・・。


上で言った様に、選挙戦の活動では政治家がよく演説をしに行く。読者の皆さん!社会民主党、緑の党、左の党のああいう演説の特徴はなんでしょうか。はい、これです: 彼らの演説は誰にも邪魔されない、という事。その反面、キリスト教民主同盟や自由民主党の政治家の演説には必ずと言っていいほど、左派思想の若者達が大勢行って、その演説を持参の、極うるさいホイッスルで妨げる。馬鹿のドイツの民主主義意識なので、「ホイッスルで反対の意見を表すことも民主主義の一手段だよ」と認めている人がいるから、ホイッスルの彼らは退場にならない。警察に少しだけ後ろの方に寄せられても、まだ聞こえるし、演説が訊きにくくなるのは当然。それは、21世紀の民主主義か?そのホイッスルを吹いている若者達自身が喋っている時にもああいう風に邪魔されたら、「言論の自由が奪われている」と叫んで、きっと物凄い苦情を言うだろうと思うが、彼らがCDUFDPの政治家に対してあれをやったら大丈夫。なんてへんてこりんな理屈。大っ嫌い、ああいうのは・・・


9 件のコメント:

  1. ウォーレンさわかみ2013年8月28日 11:32

    日本共産党は暴力革命を放棄したので、もう共産党を名乗る資格はないのですが、ドイツには、共産党はないのですか?

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    1. バフェット&ロジャーズ2013年8月28日 12:33

      もしかして、「ウォーレンさわかみ」とは、バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット氏とさわかみ投信の澤上篤人氏の名前ですか?

      もしそうだとしたら、二人の投資家を尊敬し、株式投資が好きということですか?

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    2. ウォーレンさわかみ2013年8月28日 13:44

      バフェット氏は今も尊敬していますが、澤上氏は身びいきが過ぎてもう尊敬できませんね。

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    3. バフェット&ロジャーズ2013年8月28日 15:36

      私もバフェット氏は尊敬しています。

      澤上氏については、さわかみ投信の次期後継者候者であった岡大氏を追放し、投資経験の少ない息子の澤上龍氏を運用責任者に登用してから、尊敬できなくなりました。

      今では澤上氏をさわかみ投信の広告塔と思っております。

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    4. 皆さん、僕のブログページに来て頂いて嬉しいですが、全然関係のない話よりも、もう少し本題と直接関係のあるコメントを出したらいかがですか。宜しくお願いします。

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  2. ロルちゃんの実感と報道される支持率との間にそれほど大きな差異はないでしょうか?
    日本で発表される内閣支持率その他もろもろの数値はまるっきりでたらめなので、ドイツではどうなのか気になります。

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  3. ドイツマルク支持者2013年8月29日 15:38

    ●キリスト教民主同盟の党首の中で初代連邦首相のアデナウアー首相とドイツの経済的奇跡を起こしたエアハルト首相とドイツの再統一を成し遂げたコール首相が有名人と思います。

    ●追伸
    いつも長文のコメントを書き込んでいたNoldLand (Kesselring)氏がロルちゃんのブログの永久退場者になっていたことを知りました。
    第1号の永久退場者と思われます。

    永久退場の警告が出たら注意した方が良いです。
    なぜなら、このブログは規律正しいドイツ人によって管理されているからです。

    ドイツのロルちゃん、恐るべし!

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  4. ドイツの自民党FDPは日本で言うところの公明党の様な存在な訳ですか、なるほどバランサーな訳ですね
    日本の選挙と違ってドイツの選挙は無気力感みたいなものがないんですかね、投票率もわりかし高そうですし、演説をして邪魔しに来る人達もいるっていうのがなんだか地域に民主主義が根付いているという感じがして逆にいいんじゃないかと思えるくらいなんですが
    やはりドイツは左派が強そう、若者が左派なんていうのは意外ですが、日本と違って学生闘争時代の雰囲気が残っているんだろうか

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