同性愛者の養子縁組

基本的にみんなが好きな様に生きればいい。第三者に害さえ与えなければ、勝手に生きても構わない。例え、夜中3時に、子供達が絶対に目撃できない時間帯に、赤信号で道路を横断しても全然どうでもいい。自分の家に限って、一日100本のタバコを吸ったり、ウイスキー2本飲んだりしても良し、勿論（後での治療費を自己負担さえしてくれればね）。ただ、第三者が何らかの形で影響を受けている所には、勝手な動きの限界があると、僕は確信している。

アメリカの最高裁判所が今週、同性愛結婚に関しての判決を下した。同性愛が結婚できないという州の法律は憲法に違反しているという様な趣旨になっている。アメリカではとっくに、どこに行っても同性愛が結婚できると僕は思い込んでいたが、それは間違いだったみたい。同性愛、同性愛結婚、同性愛の子育て、養子縁組に関連して、ドイツでもここ20年ぐらいにかけて、いわゆる「サラミ戦略」で益々権利の範囲が広げてきた。ドイツ語でよく使う慣用句「サラミ戦略」では、サンドウイッチに置く為にサラミを一枚ずつスライスすると似た様なやり方で、今まで持っていなかった権利を先ず少しだけ要求し、一旦成功を手に入れてから次のステップ（要求）を踏む。

ドイツでは1998年以降、社会民主党や緑の党が連合政権を握るようになり、ドイツ生まれの外国人が簡単にドイツの国籍を貰う様な法律を可決しただけでなく、同性愛が結婚に近い様な「登録パートナーシップ」を結ぶ事が出来るような法律を作った。完全な結婚権に足りていない所は特に所得税である（偶然に、昨日、2013年6月26日に、同性愛にとっての、所得税の不利な点も廃止されるように国会での論じ合いがあった）。でももう一つ大事な分野ではまだ制限がある。それは養子縁組。同性愛のカップルは未だに一緒に子供を養子縁組できない。

但し、こういう場合もある：カップルの一人が違う付き合いから子供がいる。途中でホモになって、離婚し、同姓の相手と登録パートナーシップを結ぼうとしたら、その新しい同性相手が前者の子供も養子にしたい。今年の初めまで、この様な事は不可能だったが、2月頃には、ドイツの憲法裁判所はこの状況を「憲法に違反している」という風に定めたので、結果的に同性愛がこれから自由に、問題なく一緒でも子供を養子縁組に出来る道が開いた。

左派か右派を問わず、僕は自分の事を保守的「兼」進歩的だと思っている。それに、保守派は社会的な変更を全面的に拒否していると言われたら困る。左は進歩を革命的（revolutionary）に、保守派は進歩を進化的（evolutionary）に追求していると僕は基本的に思う。だから、本当は、急がば回れと言いたい。でも何年も経ったら、どんなへんてこりんの現状にも慣れる。

ところが、同性愛が子供を養子縁組に出来るのに僕は反対している！結果はもう目に見えている。日本と同じく少子化問題で悩んでいるドイツの人口の中での同性愛の比率はこれで更に増えると思われる。結局子供が同性愛の自分の「両親」をずっと体験した、必ず真似しようとするから、同性愛が増加するのは当然！それに、今から10年も経たない内に、ドイツの学校の子供達の3分の一以上の「両親」は同性愛になっている。少数派の権利を過半数の権利よりも大事に守っているこの社会では、その同性愛の子供育てはそこまで絶対と言っていいほど普通化しているだろうから、学校の「雑」の授業では充分にこういった様な場面が考えられる：先生が子供達の前に立って、言う：はい、両親には男の人や女の人のいる子、手を上げて。今度は、両親の二人ともが男の人、二人ともが女の人である子も手を上げて。あ～、なるほど、こうなっているんだ～、いいね、皆さん。ありがとうね・・・。

こんな場面を考えたら、ヘドが出そう。社会の歪み過ぎとして見なしたら、保守的過ぎると思われるだろうか。