マルクス・レーニン主義の社会党

「「ドイツのロルちゃん」は自分の名前を「左派のロルちゃん」に変えた方がいい」のではないか」と、最近のエッセーに対してのコメントに、読者の誰かが書いた。正直言って、あのコメントをどう処理したかが覚えていないが、こんなコメントほど根拠のないコメントはなかなかないだろうなぁと思っている。

ビデオでも言った様に、ドイツでは僕はどっちかというと、保守派に入っている。ただ、不思議なことで、外交だけになったら、保守よりも少し右に偏っているかもしれない。それでも日本の右翼からみれば左と思われれば仕方がないね。一つは決まっている。左派の党が考えていることの全てが現実性に凄く欠けている。

総選挙をまん前にもって、数日前に内の会社のメーンゲートの前に、ドイツの「マルクス・レーニン思想主義の社会党」が屋台を置いて、すれ違っている従業員達にビラを配っていた。読者の皆さんに面白いかもしれないと思って、僕がそこに行って、何枚かを貰ってきた。

一つを前もって言わないでいられない。読者の一人もコメントで正しく言ったように、日本の共産党の思想はヨーロッパ式の左向きの社会党、共産党とは随分違う。結局、日本共産党は真面目に社会全体の革命的に変更を求めようとしている訳ではないよね。それは、西洋式の左派の党との一番大きな相違であろう。

さてさて、今週屋台を置いていた「マルクス・レーニン思想主義の社会党」の基本的な狙いを紹介しよう。彼らは、勿論の事で、全ての企業、規模を問わず、例えキオスクでも、中小企業でも、大手でも、何でも強制的に国営化するつもりでいる。言うまでもなく、お金持ちの財産を収用、没収もする。

こんな、共産党にしては基本的な狙いの他に、次の様な事も狙っている：

• みんなの労働時間を周40時間から30時間に下げること。但し、給料は変わらない
• 現在の社会福祉制度をやめて、代わりに先ず第一に、失業保険料を無期限に払い続ける
• ドイツ人口は8千万人。8千万人の市民（働いても、働かなくても、何歳でもとにかく）の一人ずつに「ベーシックインカム」（基本給）を確保する。一人当たりの一月当たりの支給額は12～18万円位のを目指す
• 通常の定年を67歳から55歳に下げる
• 従業員の社会保険料は社員と会社で半々に分けて払う制度から会社側100％の制度に変える

資金繰りをどうするかに当たって「お金持ちから取る他に、中央銀行に印刷してもらえばいい」という様な解決案が出される。その他、社会が滅びそうな、数多くの、何よりも非現実的な政策案に溢れている。

一番怖い事として言えるのは何かというと、彼らの党名にも含まれている「マルクス」と「レーニン」の思想だけでなく、彼らが明確に、20世紀の三大大量虐殺者の内、二人、「スターリン」や「毛沢東」の思想にも従っていると言っている。そして、両者のせいで何千万人が死んじゃったとぶつけてみたら、「それは西側のプロパガンダ」とい言う・・・。

幾つかの市町村の議会にはぱらっぱらっと一人ぐらいの議員を送るのに成功したらしいのだが、幸いなことで、州又は連邦議会には一度にもそんな投票を貰ったことがない。それに、加盟者数も全国で2300人に過ぎない。それでも、ドイツの国内秘密局が彼らの行動を厳密に観察している。

我々はいくら民主主義制度に生きていても、この党は、もしいつか政権を握るようになったら、僕は二通りの反応しかない。一つは、二回目として移民する。それは不可能であれば、二つ目は自分でゲリラになって戦う。それ以外は、なかなか考えられない・・・