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2013年4月23日火曜日

ドイツの労働基準法の様々な有様


うわ~、もう5年かと、さっきある事を調べた時に思った。当時は僅23番目の(特撮入りの)ビデオで、ドイツの労働事情について語った。この記事を書く前にあれを準備として別にもう一回見た訳ではないけど、多分、一般のドイツのサラリーマンは年間30日の有給休暇を持っていると言っていたと思う。絶対捨てたりしないし、


一日も残さずに必ず取るという事実は日本人の耳にあまりにも馴染みのない事情なので、あのビデオは180本以上のビデオの内、4万クリック以上で6番目に人気を得た。

あれはあれでいい。但し、有給休暇は一つ、祝日や週末は勿論別。
ちょっと計算してみよう:
一年は365日で出来ている。有給休暇は30日。週休二日制は原則だけれど、大体の人は土日休み。いずれにしても、週二日休みは年間52週間で104日に登る。
そして、州によってちょっと異なるが、うちの州では年間11日の祝日がある。その中で一番大事なのが元旦、イースター、統一の日、クリスマス等など。
働いている人は確定申告の時に、労働日数分かける「自宅・職場間の距離(kmで)」かける50ユーロセントを経費として落とすことが出来るから、365-30-104-11、計、220日を年間労働日数として申告する。

その上に、また州によって、伝統が違っているから、法律でも労働契約でも定められていない、別の、事実上の休暇がある。例え、うちの州、少なくともライン川沿線では、カーニバルのシーズンのど真ん中にある「薔薇の月曜日」も特別に休みになる。あと、会社によって、社内労働組合との交渉で、1224日のクリスマス・イーブや31日の大晦日も特別に休みになることがある(うちの会社はそう)。確定申告では365-30-104-11=(約)220は正式に税務署に認められているが、僕の場合は、上記の特別休暇も入れての計算は365-30-104-11-3217という計算になる。


日本人が聞けば最も驚くか腹が立つかが分からないのだが、病欠は別扱いである。
10年前に可決された連邦法律以来、5日間病欠で1日有給休暇が消えるようになった。ただ、それはあくまでも、極小さい企業にしか通用しない。中・大手企業には強い社内労働組合があり、組合や会社の間に結ばれた契約は法律よりも効力があるので、上記の「5日間病欠で1日有給休暇が消える」ということはそこで効かない。医者が診察書すら発行したら、病気になっても、会社が6週間まで給料を払い続ける。契約によってもっと永いことも払い続ける。その後は健康保険機関が給料代わりにお金を給付する・・・・・。

上で、「日本人が聞けば腹が立つかも」と既に書いたのに、もう一つ付け加えることとして、トップに乗せなくてはいけないのがある。例え、誰かが二日で病欠したろうが、3週間、6週間、10週間、4ヶ月で病欠したろうが、それはそれで他に何の影響もない。前の職場に戻れるのが先ず当たり前だし、あと例えば、2,3,4,5月中、病気で休んでも、(もしかして)前の年から計画していた3週間の夏休み、つまり有給休暇は、ちゃ~~~んと取れる、何よりも平気で・・・。それは従業員の権利であって、会社は何の文句も言えない。病気になったのが結局本人のせいではない。好きで病気になった訳ではないという考え方で、もしそれで有給休暇が減ったりするなら、本人が可愛そう。ドイツはこう、約3040年前から。

因みに、従業員の誰かが病欠していると20年前に働いていたデユッセルドルフの日本企業の社長に報告したら、社長がいつも「あらまー、どんな病院に入院しているの?」と僕に訊き返した。「えっ?、病院?入院?、ないよ、そんなんって・・・。彼が自宅でベットに寝ているよ」とその社長に言ったら、社長にはこの話が、特に最初の頃、通じなかった。入院しなくてもいいほどの病気に過ぎないのであれば、出社すればいいだろう!という古い考え方は社長が持っていたからだ。調子が悪い、インフルエンザで熱が出ていていて、ましてや伝染する病気、ウイルス風邪とかで出社が出来ないというのが、彼に通じなかった。ただ、これは日本の考え方で、社長がいくら納得いかなくても、勿論、ドイツではそれは通用しない。郷に入れば・・・。

もう一つ: ドイツでは、人が病欠するかどうか、会社を休めるぐらい重い病気にかかっているかどうかを決めるのが、医者だけ! そして、病欠している従業員が会社に自分の病名も言わなくていい、秘密にする権利がある!(個人データ保護の一種)。言い換えれば、ある病状で出社してもいいかどうかを判断するのは、あくまでも会社側ではないと、ドイツの労働基準法に定められている。つまり、こな軽いのだと、「出社しろ」と言えない。

さてさて、僕はそれを全部それでいいと思うかどうかという質問になったら、ちょっと困る。一方は、何十年前から慣れているから、普通だと思うし、労働者の人権としてはかなり進んでいるように思う。勿論、どこの制度と同じ様に、この制度を悪用する人もいる。ただ、学校の休みの時にも、その他の祝日、連休の時にも、国の機能が部分的に中止するから、やり過ぎに感じる事も時々ある。
その詳細は・・・、悪いけど、別の記事に任せてもらう。もう休まなくちゃいけないからさ~   笑


13 件のコメント:

  1. あれっ?
    以前はこのサイトからデュッセルドルフの情報サイトにリンクできたんだけどもうできない?

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    1. どうぞ:

      www.netdeduessel.de

      前、確かにあったんだけど、あのリンクは突然使えなくなりました・・・

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  2. とても参考になります。
    質問させていただきたいんですが、
    建設現場で働く内装、土木作業員、電気工事、左官、配管工などの
    肉体労働の人たちは、日本ではほぼ間違いなく週休1日(日曜日のみ)です。有給休暇は制度としてあるでしょうが、取れません。
    取ると、首に追い込まれるなり、評価が下がるなりして、働き続けにくくなります。
    ドイツの建設現場で働く人たちも、週休2日なんでしょうか?
    日本社会って、人権がないがしろにされてる社会なんだなと
    実感させられます。

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  3. うらやましいですが、私はそれのほうが普通の考え方だと思います。
    日本人は働き過ぎです。T_T
    人生楽しみたい!!

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  4. ドイツが社会的市場経済の国であることがわかります。

    最近このブログを見ると、なぜか文章の黒色の文字が背景の画像に溶け込んで読みにくいです。私だけでしょうか?

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    1. ブラウザを替えてみては。

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    2. IEなら互換表示のボタンを押せば改善すると思いますよ。
      私も白い背景が消えて後ろの写真の背景にそのまま文字がかかれている状態ですごく読みにくい状態でした。
      たぶん同じ症状でしょう?

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    3. はい、同じ症状です。
      IEのツールの互換表示設定の「互換表示ですべてのWebサイトを表示する」にチェックを入れたら、症状がなくなりました。

      分かりやすく教えていただき、ありがとうございます。

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  5. Guten Tag.

     休みが多い。これはこれで羨ましいと思います。でも、それはドイツのことで、日本がそれを踏襲するのが良いかどうかは別です。
    あくまで、日本人の労働に対する考え方で決める事。
    とは言え、日本ではうつ病で会社を長期間休職する事例が増加しています。うちの会社も。
    これは問題です。しかし、その原因については、違法な労働は論外として、働き過ぎという単純な問題ではない。私の経験では、働き過ぎてうつ病になった人は周囲にはいません。
    相当な長時間労働をしている人もかなりいるにも関わらず。
    勿論、労基法違反は厳禁です。休日に働いたら必ず代休を取る義務がうちの会社にはあります。本人が、代休を忘れていると上司に叱られます。人事から上司の労務管理にダメだしが来るからです。

    原因はむしろ、職場に適応できなかったり、コミュニケーションが上手に取れなかったり、臆病だったり・・言いたいことが言えなかったり、自分の感情を上手にコントロールできなかったりすることが原因のように見えます。私のように、相手構わず言いたいことを言う人間でも(それでも山ほど我慢してますが)、職場に適応することはそう簡単なことではなく非常に疲れます。毎日々相当頑張る事が必要で、そうでなければ、言いたいことも言えませんから。
    権利を主張したいなら義務も忘れるなって事です。

    しかしながら一般論として感じる事は、日本人は、労働の価値を正しく評価する能力を失ったように見える。そのような教育を受けなくなった。労働者は労働を苦役と思う傾向が徐々に強くなってきたのではないかということです。
    (経営者が、その責任を十分自覚せずその結果として、労働者にしわ寄せがくるような例もありますが、ここではそれは一旦除外しての話です)

    私たちが気をつけなければならないことは、働き過ぎの問題と働きたくない問題を混同してはいけない、という事ではないかと感じてます。

    yamato



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  6. 時間当たりの生産性が高いのでしょうね。欧州随一の経済力を誇るドイツですから素晴らしいですね。

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  7. 日本だと、たとえ病欠してる人がいなくてもまとまった有給をとろうものなら
    自分勝手な事をするな!その間のお前の仕事は誰がやるんだ!
    となりますね、残念ながら
    日本の企業にも、ドイツ企業には無いいい所がきっと、きっとあるのでしょうが
    私はドイツ人がうらやましくてなりませんね…本当に…

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  8. ドイツの会社はうるさいってRoruちゃんが言ってたじゃん。
    朝から一日中、同じ旅行の話ばっか聞かされて・・・って。
    日本じゃ、それは無いからね。
    僕はドイツのサラリーマンになりたくはないよ。
    毎回々そんな話に付き合ってたらすぐ病気になりそうだ。
    確かにまとまった有給休暇を取るのは日本じゃ難しいね。でも、取れるところは取ってるんだよね。うちだって、5月の連休は2週間連続で休暇取る人もいるよ。
    でも、僕は連休中にも働くんだー。ちっくしょー

    yamato

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  9. ロルちゃんも御存知だと思うけど、日本じゃ有給休暇なんて無いも同然。
    いままで何十日捨ててきたことか。。あー本当にもったいないし、腹が立つ!

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